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モーレンハウエル社の季刊誌「Windkanal」2014年第1号に、アジアンリコーダーフェスティバルのレポートが掲載されました!

2014/06/02 (月)


モーレンハウエル社の季刊誌「Windkanal」2014年第1号に、アジアンリコーダーフェスティバルのレポートが掲載されました。
この記事は、本イベントのために来日されたリコーダー製作家のグィード・クレミッシュ氏とジャーナリストのキース・ファン・オーステン氏によって執筆されました。

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2013年11月22-24日、大阪
規律正しく、効率的で、清潔な。これは日本の大都市のひとつであり、人口270万人を抱える大阪の空港へ私たちが初めて降り立ったときの印象です。
一週間にわたって、私たちは「効率の良さ」を経験しました。アムステルダムからの空の旅は、予定よりも迅速で(11時間ではなく10時間)、ノンストップ。非常に快適でした。税関では再び予想外の嬉しいことが待っていました。短時間で私たちの大切なリコーダーの一時輸入に関する必要な手続きが行われました。男女スタッフの好意的な会釈の後、5分もかからずに私たちは旅を続けることができました。
私たち −ユトレヒト在住のジャーナリスト Kees van Oostenとベルリンのリコーダー製作家 Guido Klemisch− は、電車で堺市へ向かいました。堺は人口約90万人を有する大阪府の一都市です。ここで「几帳面さ」について例を示しましょう。電車は分単位ではなく秒単位で正確です。人々は日本語と英語でコミュニケーションしており、目的地の名称はローマ字で示されています。質問がある時は、真っ青なユニフォームを着て白い手袋をしている乗務員に英語で尋ねることができます。
堺市と大阪市は隣接しており、私たちはその境界に気づくことはありません。私たちが目指す「堺駅」まで、線路の両側には一戸建住宅、集合住宅や工業用地が続き、その風景は時折小規模な畑や水田によって中断されます。
ホテルにて、私たちは再び丁寧なお辞儀で迎えられました。到着が早過ぎたため、部屋はまだ準備されていなかったものの、荷物を預けることができました。私たちは、ホテルの周辺を少し探索し、通りに落書きがないこと、不用意に捨てられた紙や廃棄物、ごみなどがないことに気づいて驚きました。
翌朝、私たちは竹山木管楽器製作所の展示会場へ車で向かいました。ここでもまた友好的な歓迎を受けました。竹山夫人の行き届いた管理のもと、スタッフと女子大生のサポーターが、出展者のあらゆるニーズに応えるために対応しました。
フェスティバルのコンセプトはたいへん興味深く、首尾一貫しており、東アジアの視点に立って、アマチュアプレーヤーにもステージが提供されました。一方、日本、韓国、ヨーロッパから製作者を招いてリコーダー展示会が開催され(これはヨーロッパにおける通常のスタイル)、他方では、日本、韓国、台湾、香港のプレーヤーによるコンサートが開催されました。コンサートは展示会場に近い阪南キリスト教会にて行われました。
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フェスティバル期間中、4つの演奏会が催されましたが、最初の2つのコンサートはプロ奏者によるもの、3つめはアマチュアとプロ、最後はアマチュア奏者によるものでした。
金曜日のオープニングコンサートは従来のバロック様式のプログラムで、ヘンデル、オトテール、ラモーなどの作品が取り上げられました。出演者は、1970年代にヨーロッパにて研鑽を積んだリコーダー演奏家・製作家の山岡重治氏、関西在住のリコーダー奏者 秋山滋氏、チェンバリストの秋山麻子氏。見事な演奏は大きな拍手で観客に迎えられました。
土曜日の午後には「アジアンコンサート」が開催され、それぞれの国の作曲家による現代曲が披露されました。ニュージーランドのDavid Coomber氏が製作したG管のルネッサンスアルトで、台湾の民族音楽が演奏されましたが、それはたいへん印象的でした。90年代に米国とオランダで学んだMin-Chung Wu氏は、私たちの耳には異国風に響く美しいメロディーを、部分的にヴィブラートをかけながら演奏し、私たちに感動を与えました。
香港の若きリコーダー奏者 Fiona Lee氏は、彼女自身とJoseph Lee氏、Henry Ho氏によるアンサンブル「L'Art du Bois」のために、魅力的な三重奏曲を作曲しました。
土曜日の午前中に、台湾のアマチュアとプロ奏者による「若手演奏家によるコンサート」が開催されました。
台湾花蓮県中正國小学校の子どもたちによるアンサンブルは好印象で、彼らは元気よく暗譜で新しいリコーダー作品を発表しました。
私たちは特に、アメリカのボストンで学んだ優秀な若手リコーダー奏者Chingwei Lin氏が率いるアンサンブルOctmusicの演奏を好ましく思いました。ジョン・ダウランドやいくつかの現代曲において、肩の力を抜いた名人芸が披露されました。少々の混乱にも慌てず、立て直す力を彼らは持ち合わせており、その対応は見事でした! Octmusicは本来、台湾のリコーダープレーヤーがWeb上で情報交換をするための場として提供された組織です。
日曜日には、4か国のアマチュアプレーヤーよるコンサートが開催されました。竹山悦子氏による司会進行は、観客の心を引きつける魅力的なものでした。
他の製作家と同様にGuido Klemischは、何十年にもわたってアジアで楽器を販売してきましたが、最初に驚いたことは、リコーダーがすべての参加国において音楽教育以外で重要な役割を果たしているということでした。前述のコンサートにおいて、特にルネサンス期の作品を演奏する際に、バロックリコーダーが使われていたとしても、演奏水準、音楽や楽器に関する知識は、部分的に非常にハイレベルでした。
ここではなぜリコーダーが熱狂的に受け入れられているのか、私たちの謎は深まるばかりです。これに関して、何の知識もなしに、関係国の何人かのプレーヤーに尋ねたところ、尺八の特殊性が示唆されました。
最後になりましたが、竹山木管楽器製作所の竹山ご夫妻に心から感謝いたします。そして、第1回アジアンリコーダーフェスティバルの完璧な組織に賛辞を送りたいと思います。
このイベントは、2014年に韓国で開催されます。

グィード・クレミッシュ & キース・ファン・オーステン
日本語訳(A.S)